東芝の半導体子会社「東芝メモリ」売却はぎりぎりの協議の末

東芝半導体子会社「東芝メモリ」売却はぎりぎりの協議の末、またも結論が先送りされた。平成27年の不正会計問題発覚以降、一連の問題に揺れ続け上場廃止の足音が迫る。内部からは人材の流出が続き、取引先などステークホルダー(利害関係者)の不信感も拡大。内外の「疑心暗鬼」を一掃できなければ、再建はおぼつかない。

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 東芝は今、人材流出の危機にあえぐ。「自分の力を発揮できない、まだやり直せると、毎月のように20代を含む若い人が辞めていく」と年配の元社員はこぼす。東芝の連結従業員は3月末で約15万3500人だが、6月末までの3カ月間で約1000人も減少した。

 上場廃止懸念を払拭できない中、特に技術系エリート層が他社に引き抜かれている。自動運転分野で必要とされるIT系エンジニアは、各社が争奪戦を繰り広げているからだ。“泥舟”に見切りをつける人材がさらに出ても不思議はない。

 疑心暗鬼は取引先や銀行にも広まる。出資を検討してきたファンド幹部は「信用力がなく、金融機関も不安視している。春以降、何も決まらないからだ」とあきれ気味に語った。

 東芝は内部の離反を招き、外部の信用を失いつつある。今後は社会インフラ事業などの領域で生き残りを目指す青写真だが、人材も信用もなくなれば、画餅にすぎない。「決められない東芝」の汚名をそそがなければならない。 (柳原一哉)

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